フェラーリエンジンとマセラティエンジンはどこが違うの?

市販車でF1サウンドを体験するならフェラーリでしょ!でも中古でも高額過ぎて手が届かない... 同じエンジンのマセラティならなんとか手が届きそう。

いざ音を比較してみたらなんか違う...何で?に官能サウンド個人研究家が答えてくれました。

車の選択を間違えない為に、愛車が奏でる音をより上質にする為のヒントになればと思っています。

正直理論は面倒だし、専門用語使われてもわからないし、という方へ、金管楽器を例に簡単な解説を記載しています。

Q:F430とマセラティ4200系のエンジンは同じと聞いたのですが、音が違うのは何故ですか?

A:エンジンはほぼ同じですが、クランクシャフトの構造が大きく違いを生んでいます。
フェラーリF430はシングルプレーンまたはフラットプレーンと呼ばれる180°位相のフルカウンタークランクです。マセラティはダブルプレーンまたはクロスプレーンと呼ばれる90°位相のクランクです。(世界のほとんどの市販V8はこちらを採用しています。)




この違いは爆発順序に違いをもたらします。つまり、フラットでは左右バンクは均等に爆発しますが、クロスは必ず片バンクに連続する爆発が起こり、排気干渉するタイミングがあります。これによりヌケを阻害し、キレイな音が出にくくなります。




ほとんどのメーカーはそのままにしますが、マセラティは集合管と同調管を工夫し、排気干渉を起こさないようにしています。それを利用して前述の倍音を意図的に出すように作っているため、独創的な乾いた「マセラティの音」になります。




周波数分析によると、F430の音はウィーンフィルのトランペットの音に、マセラティはストラディバリウスの音に酷似しているそうです。

倍音とは

簡単に言うと1オクターブ上の音のこと。
中学の合唱みたいに男子がアルト、女子がソプラノなら、同じ旋律を歌うとき男子を基準にして、女子は倍音が出ている状態にぼぼ同じ。

”乾いた音”とか、”ヌケが良い音”って何?

乾いた音:高い周波数の排気は高い振動数をもって排気管を震わせ、材質の硬度により金管楽器の様な乾いた音になる
ヌケがいい音:排気干渉せず排気が抜けている
高い音:可聴域の周波数が高い音
響く音:倍音やうなりによって音幅、音圧が広がる音
鳴き:以下の動画のゥゥゥーゥウアアーァァのウアアの部分


音が2つ聞こえると思います。

低めの600hzのウアアアアーンにあわせて、1200hzでカァァーァァーって鳴ってるのが倍音で、高い周波数を誘発し、うなりを生じています。

エキマニが等長で、排気と排気の間隔が均等かつ隙間が極小で、排気容量がちょうどよくなるように調律されています。

同じエンジンでも上手く行かないとこうなります。


見た感じは等長エキマニだけど容量が大きすぎる+長さが足りなくて、音は大きいけど排気干渉して倍音を作れていません。(排気管を振動させて音を響かせることが出来ていない)

金管楽器に例えると...


金管楽器の唇の振動が、エンジンの爆発。
吹き込む肺活量が排気量、息の速さが排圧。

分かりやすくありませんか?

僕(mushitaro)はこの動画をみて初めて上の記事で書いてある事が理解できました。


作成:sion(官能サウンド個人研究家)
編集:mushitaro

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