妻子持ちサラリーマンがマセラティに乗り続けるには?


初めにお断りを入れさせて頂くと、僕はいわゆる「金持ち」ではない。

もし、そんな大金があれば、気に入ったクルマを見つけたら2、3台買って、乗り潰し用、遊び用、とっとく用、もしかしたら部品取り用、なんてことも可能だろう。

もしくは、調子が悪くなったら売っぱらって新車を買い直すこともできるかもしれない。

また、巨大な庭にあるガレージなら、近所の迷惑も気にならないし、妻用にSUVでもあれば、家族から文句も出ないだろう。

しかし、現実はそうは行かないことが多いはずだ。

家族、近所とともに愛車を維持していくにはある程度の努力は必要だ。

家族の理解

僕がコルベットからマセラティに乗り換えた時、重要視した要素の一つが「排気バイパスバルブ」だ。

コルベットにそんなものはなく、アメ車らしくアイドルでも重低音が響いたのだが、マセラティでは純正でこのバルブスイッチで閉めると、波長の長い低回転での低音がかなりカットされる。

音に拘る僕は、ツーリングなどではサウンドを楽しみたいから、この機構は大変ありがたい。

逆に家族で走る時は閉めておくことで「コルベットより音が伝わらなくて会話がしやすい」と、好評だった。

また、これくらいの減音効果があれば、朝ガレージで暖気運転をしても、近所の目を妻が気にすることも少なくなる。

自分らしさと家族団欒の両立

「4人乗り」にすることも、家族の賛成を引き出せた。

コルベットは二人乗りだから、子供が出来たらまず一人でしか乗らない。

幸い、妻には妻用のクルマがあったので買い物などで困ることは無いのだが、するとどうだろう、「好きなクルマ」なのに運転する時間が減ってしまった。

そうなると今度は妻が「最近あんまり乗らないね」「楽しめてる?」と逆に心配する始末。

これではだめだ、と、遠出や旅行では子供がいても家族で乗れるクルマにしたのだ。

ついでに言うと、遠出する場合、僕のマセラティの方が圧倒的に「運転が楽」で、「運転が楽しい」から僕自身のストレスも少ない。

そんなこんなで、家族みんなの満足度がそれぞれ上がる結果になった。

参考:趣味と家庭の両立、一台を永く大切に乗る!が妻を動かす 〜M3の30年間の維持費〜

クルマを家族が受け入れる


なんと、思わぬ副次効果もあった。

マセラティ自体、市場にタマ数が少ないのだが、内装外装の「色、組合せ、グレード」はしっかり探して選んだ。

その結果、初めて妻を乗せたとき、「キレイな青色(内装)だね!私の好きな色」と言ってくれたのは素直に嬉しかった。

娘にも「パパのクルマカッコいい!」「白い色(外装)が似合う!」といつも言ってくれて、クルマという「男向け趣味イメージ」が和らいで一気に「団欒感」が出るのだ。

足として活躍する妻の車では、そんな会話にならないから、マセラティの「ブランド」力の凄さを目の当たりにした形だ。

最後に、バイパスバルブで低音をカットしたマセラティサウンドは、娘が興奮して「もっとスピード上げて〜!」なんて言ってくる。

妻はなぜか「なんか気持ちよくなる」とよく眠るようになった。

これらすべて、日常から外れて非日常を家族で共有できるようになった結果ではないか、と、僕は納得した。

今はこの「トライデント」をどうやって万全に維持していくか、と想いを巡らせる毎日だ。

文:sion(官能サウンド研究家)
編集:mushitaro

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