トルク型、回転数型とは!? 〜ピストンストロークでエンジン特性の差を考える〜
今回は好みのエグゾーストノートを探す上で、後々必要になる豆知識を、クイックにお伝えしたいと思う。
2つのエンジン特性
とてもザックリ分けると、エンジンは特性を二分することができる。ずばり、トルク型か、回転数型か、だ。
エンジンは回転して出力を出すものだから、爆発力が回転に変換された先で出るパワーは、多ければ多いほうがいい。
出力は「トルク×発生時の回転数×0.0014」で求められる。
トルクは軸を回す力なのでグウォンという勢いが重要だったりする。
回転数は速さなのでとにかくシャカシャカって感じで量が重要である。
この式でトルクと回転数の関係が、あっちを立てればこっちがたたず(トレードオフな関係)であることをイメージしてもらえたら嬉しい。
なので商品として売り出すクルマのコンセプトに応じてトルク型か回転数型に寄せる必要がある。
それが、エンジン特性が2つに分けられる正体である。
さらに、トルク型はロングストローク型、回転数型はショートストローク型と言い換えることが出来るので、それをここから説明したい
ロングストローク型の特性
低回転から平均ピストンスピードが速くなり、低回転から大きなトルクを得られ、扱いやすい実用的なエンジンとされる。反面、ピストンスピードの限界から、高回転化が難しく、ピークパワーは得にくい。
特に走り出しで有用なため、車重の重いクロカン、SUVや、ミニバンなど実用的な市販車に多い。
ショートストローク型の特性
ロングストローク型より平均ピストンスピードが遅い分、より回転数を上げられるため排気量当たりのピークパワーは大きくなる。平均ピストンスピードが限界を超えるまで、回転数を上昇させパワーを得ることが出来る。
こちらはスポーツカーに多い。
自転車と同じ
自転車に例えると、「大きなギア」で立ち漕ぎをしている状態がロングストローク型だ。→坂道などでも簡単に発進でき、ある程度まではすぐにスピードが出る。
→グッグッと漕ぐ(トルク発生)とその負荷を感じる間は進むのに、ある速度でスカッスカッと手応えがなくなり、加速しない。(ピストンスピードの限界)
逆に、「小さなギア」で徐々に加速していく状態がショートストローク型だ。
→体重を掛けても進まないほどに加速は遅いが、足を「回せば」トップスピードは圧倒的に速い。
→漕ぎ続けると、足を回せば回すほどスピードが上がっていくが、いずれ「回せなくなる」(足の力、つまりトルク(爆発力)不足で回転数を上げられなくなるか、ピストンスピードが限界を超える)
もし自転車でギア付きのモノにのる際は、是非エンジンのストロークタイプを思い出してもらうと、理解を深めてもらえると思う。