マセラティ グラントゥーリズモ 〜一つの歴史の終焉〜


恐らく、マセラティ史上最後の自然吸気V型8気筒だろう。

手にするなら今だ、と思う。

MC20がV6だったし、次期グラントゥーリズモは完全EVと言われている。

サウンド党の僕にはEVは論外だが、自然吸気が使われなくなるのも辛いものがある。

この先残る自然吸気エンジンは、きっとフェラーリのスペチアーレくらいだろう。V12の。

最後のV8という栄光

グラントゥーリズモを初めて見た時の印象は、正直「カッコいい」「美しい」だった。

ITALYな曲線美は、フェラーリよりも魅力的で、買いたくさせる魔力を持っていた。

パッケージも4人乗れる豪華なクーペとして、希少なポジションだったのもいい。

そしてグランスポーツに引き続いて搭載された自然吸気のV8と、Sなどの「MCシフト」モデル(ATのMCオートシフトは対象外)に限るがやはり引き続きのドライサンプシステム。

レーシーなスペックにワクワク。

今となっては古典的なのは否めないのだが、最後のモデルとなって惜しい。

人気は当然高く、かなりの台数が売れた(マセラティとしては)から、タマ数が多く希少価値が低いのが可哀想かもしれない。

スポーツカーイメージからは遠ざかった?

グラントゥーリズモの運転感は、これも重量配分に拘ったMCシフトモデルに限るが、クアトロポルテをベースにしたとは思えないほど良好なハンドリングで、ちょっとしたワインディングなら気持ちよく走れることだ。

ただし、以前述べたように、あまりに車重が重くなり(グランスポーツ比約300kg増)、ノーマルではワインディングが限界だと感じるのはマセラティのスポーツマインドからすれば、残念だ。

フェラーリのような爽快なスポーツカーかといえばそれは違う。

やはりどちらかというと、BMW8シリーズのような、グランドツーリングカーだろう。

正直、僕自身、あと300kg軽ければ間違いなく買っていた。

それくらいデザインは最高なのに、「もったいなさすぎる。」

中古車も500万円以下から数多く出回り、入手しやすい。

車格から考えればリセールバリューは最高じゃないだろうか。

かつては大富豪しか味わうことが出来なかったマセラティのV8。

その世界に飛び込むなら今しかない。

そして、V8搭載のラストモデルとして、今後は価値も多少上がるかもしれない。

どちらにしても、買うなら今がチャンスだ。

人気の投稿