これからの自動車文化について予想してみた
僕たちは、古き良き自動車文化を後世に残したいと強く思っています。
そして車好きは汚い、ダサいという社会のイメージを、カッコイイ、素敵に戻し、より多くの人の心を前向きにするきっかけを作る人(アーティスト)にしたいと思っています。
自動車文化は、人のアイデンティティを作り、成長を促す機能があると考えています。アイデンティティがしっかりしてると人にどう思われようが心は真っ直ぐ安定します。車好きは、どうすればもっと楽しめるか、刺激を得られるかあれこれと試行錯誤します。この試行錯誤するマインドこそ、世に言う指示待ち人間の打開策であり、このマインドの醸成が社会の発展に役立つと考えています。
今回は、そんな想いについて最近のニュースを見ていて思う事を書きたいと思います。
自動車文化とは
自動車文化は、世にある文化圏の一つにすぎないと思います。
しかし、多様性尊重が唱えられる近頃、文化も様々なモノがあっていいと思っています。
そして文化は、ある一定数の人が熱狂することで創られるモノで、それは大抵庶民であると思っています。
よって庶民が楽しいと感じ、自ら進んで新しい価値を創っていくことが重要だと考えます。
文化と言っても抽象的すぎて、自分の手に届く範囲の取り組みと結びつきにくいかもしれません。
そこで例を挙げると、“ヲタク文化”や“ファッション文化”、“お笑い文化”と同じ位置付けで“自動車文化”があるのかなと思います。
自動車文化といっても広すぎるので、分類してみると、「ドリフト」、「グリップ」、「レーシング」、「スポーツ」、「アクティビティ」、「プレミアム」、「グランドツーリング」などがあり、レーシングを例に細分化してみると、「F1」、「スーパーGT」、「スーパーフォーミュラー」などより具体的に分けられますね。
僕は「グランドツーリング」と「スポーツ」の分野に興味があります。(「アクティビティ」にも少しだけ..)
正直分野の定義は曖昧かつ適当で、ここで僕が定義に触れることは大変烏滸がましいと思っていますが、僕のイメージを説明させてもらえるなら、
「グランドツーリング」は、海外の街から街へ移動する際、様々な条件の道をBMW 8シリーズやメルセデスのSクラスなどで、長時間ラグジュアリーな雰囲気に包まれながら、心に余裕を持って移動する事で、
「スポーツ」は、日本でいう峠を、ロードスターや86などで、リヤが軽くスライドする程度で流して走る事だと思っています。
自動車の価値は「移動手段」から「余白時間の創出手段」へ
日本では、自分の立場や建前を優先し、人の時間を平気で奪う風潮が未だ続いています。その中で自動車文化を楽しむには、「ついでに」や「ちょっと行ってくる」や「同時に」というキーワードから連想されるタイミング=移動時間を上手く使うしかないのかなと考えています。
普段時間に追われる生活の中で、移動時間というのは人生に余白を作る大切な時間になりつつあると思っています。
一時の感情で煽ったり、追い抜きしたりする事に神経を使うのではなく、自分の心をリセットしたり、音楽やエキゾーストノートや横G、路面からの情報を感じて鋭気を養い、自分を取り戻す貴重な時間として使った方が良いと考えています。
これを達成するには環境=車がとても大事だと考えます。
実は日本代表自動車文化=軽自動車
しかし、庶民が車にかけられるコストは減り続けている、いやコストをかける意味がないと判断されるようになったと思ってます。
庶民の一人あたりの収入は、今後横ばいか微減する方向ではないかと思っています。(この根拠は調査中)
世帯で考えると共働きが増え、世帯収入は増加する一方、その分家を購入するなどで相殺され、生活に余裕ができるわけではないと思います。(自分の体験や周囲の話より)
トヨタの豊田社長が軽自動車は地方のライフラインだと仰った言葉の見方を変えると、
軽自動車の維持費が、日本人が車にかけられるコストのボーダーだということ。
それ以上は、もはや趣味趣向の領域だということ。
日本は自動車産業で経済の大部分をカバーしてきたのに、自動車文化づくりを大切にしてこなかったが故に、ディーラーが自社登録し、すぐ新古車として流す実態が通常となっているマーケットは、限界ギリギリだったのだと思います。(BMWなんてひどいもんです。)
それがここにきて日本政府は、何十年も前から言われてるカーボンニュートラルを今更前面に出してきて、軽自動車までEV化=コスト増にせざるを得ない状況に追い込んでいます。
あと10年でコストや電費を今レベルにし、カーボンニュートラルまで達成しなければいけないなんて、押し付けもいい所です。
ここまで来ると、日本が崩壊するイメージはつきやすいですね。
日本死ね、改め日本死ぬです。
話を戻すと、自動車文化の形成に軽自動車にどれだけの可能性があるかというと、スズキのハスラーやホンダのN-シリーズが頑張っていると思いますが、“文化”が創られる域にはにまだはないと感じています。
軽自動車の存在が、ある意味日本文化だと思いますが、これをもっと美しく、ドラマチックな演出が出来れば、車+体験の新サービスマーケットが無限に開けるのではないでしょうか。
2020年のN-ONEのフルモデルチェンジで、見た目がほとんど変わらなかった事は、一つのチャンスだと思いました。
変わらない美しさと変わる美しさのいいとこ取りが文化を残すポイントだと思っていますが、これが出来ているのはポルシェとMINIくらいではないかと思います。
でもMINIですら庶民には手が届きません。
Nシリーズやハスラーには、MINIを超え、庶民に寄り添う文化を創れる可能性を感じました。
車を使った価値体験を、女性やファミリー層のインフルエンサー達と共創してみてはどうでしょう。
軽以外のポテンシャルの高い車たち
普通車ではスイフトスポーツがかなり惜しいと思いますが、あと一歩欲しいです。(開発者の想いの共有や車が生まれるストーリーをもっと大袈裟にぶちまけて欲しいです。GRヤリスのやり方を真似して欲しいです。)
メーカーとしてはマツダがあと少しの所にに来ていると考えていますが、あとは時間の経過と忍耐だけではないかと思っています。
鼓動スピリットを一貫し続け、一台で、スニーカーやコンフォートシューズ、スポーツシューズ、レースシューズなどユーザーの任意で味を切り替えられるようにして欲しいです。
あ、一つだけ文化形成が上手くいっていると思っている車種がありました。
ハイエースです。
僕の趣味には合わないけど、大事に乗っててカスタムしてる人をみると最高にカッコいいと思います。
ハチロクと同様に古き良き自動車文化の継続が上手くいってる例だと思います。
86で文化の復活を目指している所もホント尊敬です。
トヨタさんすごいですね!
Zはなんかちがうんだよなぁ…
日産は名車が多いので、レストア事業で儲かる革新的な仕組みづくりを頑張ってほしいです。
NISMOさんがんばれ!
あ、あともうひとつ、ロードスターも..
レストア事業の社会的意義
だいぶ話がズレてしまいましたが、また話を戻すと、自己満の印象が強すぎる自動車文化を維持・発展させるには、90年代を代表としたネオ・クラシックカーなどを永く大切にすることが現実的な選択肢だと考えます。
もっと言えば、日本の90年代のスポーツカーはR32、33、34GT-Rを筆頭に20年輸出規制解禁に伴って海外人気が爆発し、中古価格が高騰し選択肢が狭まってきています。
そんな中、なぜか日の目をみない2000年代初期のBMW E46 M3やアルファロメオ 159など、100万〜300万円で買える穴場物件が選択肢に入って来ると思っています。
好きな事を楽しめる事は、VUCA時代(社会の激変に柔軟に適応する能力が必要とされる時代)に置いて、生き抜く為のスキルになると考えます。(Youtuberの台頭が良い例)
好きな車に永く乗る、言い替えると“好きなモノを永く大切に使うマインド”を自動車文化を通じて醸成できれば、持続可能な社会へのコミットメントになり得ると思っています。