マセラティ グランスポーツ 〜マイカーインプレッション〜
今回は僕がなぜこのクルマを選んだかについて書いてみた。
僕の好みなので、参考になるかと言われたらならないかもしれないが、車の楽しみ方の一提案と捉えていただけたら幸いだ。
*参考:マセラティよ永遠に…!?僕がV8NAを選んだ理由
以前書いたが、カムプロフィールやクランクシャフトの構造など、マセラティ向きに手が入れられているが、エンジン形式が、「ティーポF136RB」となり、F430のティーポF136Eや、458イタリアのティーポF136FBと、基本設計を同じにする。
*参考:マセラティよ永遠に…!?僕がV8NAを選んだ理由
エンジン
エンジンは、フェラーリのマラネロ工場で造られた、フェラーリ設計のもの。以前書いたが、カムプロフィールやクランクシャフトの構造など、マセラティ向きに手が入れられているが、エンジン形式が、「ティーポF136RB」となり、F430のティーポF136Eや、458イタリアのティーポF136FBと、基本設計を同じにする。
*参考:フェラーリエンジンとマセラティエンジンはどこが違うの?
一昔前のマセラティと新型マセラティは、エンジンを自社製としているから、僕のクルマは「名門マセラティに赤い跳馬の血が流れる」珍しいモデルと言える。
高回転ではF430のそれよりも伸びはないものの、トルク発生回転数が引き下げられており、3000〜4000rpmの普段「ちょっと踏んでみる」ゾーンが美味しくなっている。
もちろん、7000rpmくらいまでは甘美なサウンドとともに突き抜けるように回り上げる様は、さすがフェラーリの血、と感じる部分だ。
僕のマセラティのエンジンは、フェラーリ製ということからわかるとおり、いわゆる「ショートストローク型」である。
同じV8のクルマと比較すると、
このあたりは、同じV8でもストックのコルベットや、レクサスRCなどでは感じられない、官能性の1つだ。
前述のとおり、クランクシャフトはフラットではなくクロスプレーンだが、市販車にしてはレーシーなカム設定と、良く出来た触媒、マセラティ拘りの排気管のお陰で、世のV8のようなボロボロドロドロと言ったサウンドはせず、遠くからでもマセラティと分かるような、存在感あるものだ。
乾いた金属質の高音、それでいてどこか豊かな厚みのあるサウンドで、官能性の高いそのエキゾーストノートは、世界の女性たちの官能性をも引き出すと言われている。
それに伴って、排気管も太く、長くなっており、低音部も響くようになったところは好みが分かれる所だろう。
また、グラントゥーリズモは僕のクルマより250kg近く重くなっている。
よく雑誌のジャーナリストはこの重量を「重さを感じない」と表現しているが、僕は表現として正しくないように思う。
グラントゥーリズモのうち、トランスアクスルを持つモデルに限るが、フロントとステアリングの応答性が良く、リアも安定しているため、高速などでは「重さを制御して」いるのだ。
運転していて重さを感じないわけではない。
なにせ、マセラティは4人で乗れるのだ。
一昔前のマセラティと新型マセラティは、エンジンを自社製としているから、僕のクルマは「名門マセラティに赤い跳馬の血が流れる」珍しいモデルと言える。
フィール
このエンジンは素晴らしい素性を持つ。高回転ではF430のそれよりも伸びはないものの、トルク発生回転数が引き下げられており、3000〜4000rpmの普段「ちょっと踏んでみる」ゾーンが美味しくなっている。
もちろん、7000rpmくらいまでは甘美なサウンドとともに突き抜けるように回り上げる様は、さすがフェラーリの血、と感じる部分だ。
エンジンプロフィールから見えるもの
ボア×ストローク比は0.87
ボア92mm×ストローク80mmの、1気筒530ccだ。同じV8のクルマと比較すると、
- レクサスLC500が0.95
- コルベットZR-1が0.94
と、ライバル達と比べかなりのショートストロークぷりがわかる。
ベントレーのV8になると1.05だ。
平均ピストンスピードは約18.7m/s
ピークパワーは7000rpmで発生し、その時の平均ピストンスピードは約18.7m/s。
一般車より多少速い程度だ。
仮に、8000rpmまで回せば、F136RBの平均ピストンスピードは21m/sを超えてくるが、計算的には9000rpm回しても、ピストン限界速度を超えることはないので改善の余地は残されていると思う。
クロスプレーンでは難しいかもしれないが、もし9000rpmまで回るようにチューンアップすれば、相当な快音を聴かせてくれるだろう。
仮に、8000rpmまで回せば、F136RBの平均ピストンスピードは21m/sを超えてくるが、計算的には9000rpm回しても、ピストン限界速度を超えることはないので改善の余地は残されていると思う。
クロスプレーンでは難しいかもしれないが、もし9000rpmまで回るようにチューンアップすれば、相当な快音を聴かせてくれるだろう。
奏でるは官能的讃美歌
ショートストローク型であるから、アクセルレスポンスは敏感で、スロットル開度に遅れず「フォン」とタコメーターが駆け上がる。このあたりは、同じV8でもストックのコルベットや、レクサスRCなどでは感じられない、官能性の1つだ。
前述のとおり、クランクシャフトはフラットではなくクロスプレーンだが、市販車にしてはレーシーなカム設定と、良く出来た触媒、マセラティ拘りの排気管のお陰で、世のV8のようなボロボロドロドロと言ったサウンドはせず、遠くからでもマセラティと分かるような、存在感あるものだ。
乾いた金属質の高音、それでいてどこか豊かな厚みのあるサウンドで、官能性の高いそのエキゾーストノートは、世界の女性たちの官能性をも引き出すと言われている。
グラントゥーリズモとの比較
現行型グラントゥーリズモは、フルモデルチェンジ前にして、未だ同系列のエンジンを積んでいるが、あちらは1気筒586ccと、かなり大きくなりサウンドも微妙に違う。それに伴って、排気管も太く、長くなっており、低音部も響くようになったところは好みが分かれる所だろう。
また、グラントゥーリズモは僕のクルマより250kg近く重くなっている。
よく雑誌のジャーナリストはこの重量を「重さを感じない」と表現しているが、僕は表現として正しくないように思う。
グラントゥーリズモのうち、トランスアクスルを持つモデルに限るが、フロントとステアリングの応答性が良く、リアも安定しているため、高速などでは「重さを制御して」いるのだ。
運転していて重さを感じないわけではない。
感じさせにくいように造られているのが、マセラティの妙だ。
だが、絶対的に重いから、ワインディングなどではブレーキに頼らざるを得ず、アンダーが出やすい。
ただ、クルマの性格がGT寄りだし、そもそもパッケージングがクアトロポルテと共用だから、グランドツアラーとして見たら、これ以上のクルマは無いだろう。
僕はどちらかというと、スポーティな動きのクルマの方が好みだから、同じような中古車価格(当時)、ほとんど変わらないパワーウエイトレシオとであるならばと、グランスポーツを選んだ。
高速を駆ける喜びは、グラントゥーリズモが上だが、コーナーを駆け抜ける快感はグランスポーツの方が優っていると感じる。
だが、絶対的に重いから、ワインディングなどではブレーキに頼らざるを得ず、アンダーが出やすい。
ただ、クルマの性格がGT寄りだし、そもそもパッケージングがクアトロポルテと共用だから、グランドツアラーとして見たら、これ以上のクルマは無いだろう。
僕はどちらかというと、スポーティな動きのクルマの方が好みだから、同じような中古車価格(当時)、ほとんど変わらないパワーウエイトレシオとであるならばと、グランスポーツを選んだ。
高速を駆ける喜びは、グラントゥーリズモが上だが、コーナーを駆け抜ける快感はグランスポーツの方が優っていると感じる。
まとめ
僕がマセラティ
グランスポーツを選んだ理由をまとめると、大きくは以下の2つである。
- 官能サウンドチューニングのポテンシャル
- 車体の軽さ
この要求を満たせるクルマはマセラティ グランスポーツだけだった。
ここまで書いた内容からだと完全なる僕自身の趣味だと感じられるかもしれないが、これを家族で共有し、共感してもらえたら、この上ない人生の喜びの一つとなろう。
なにせ、マセラティは4人で乗れるのだ。
文:sion(官能サウンド研究家)
編集:mushitaro